珈琲をハンドドリップで淹れる
珈琲をハンドドリップで淹れる人って高度な職人さんみたいで素敵です。
ハンドドリップ時に重要なファクターは、豆の量、種類、質、ローストの程度、湯量、湯温、投入速度等多々あり。
その中のうち、ハンドドリップの最重要アイテム「ドリッパー」を重視し、今回フォーカスを当てていく。
そのなかでドリパーの種類がどのように影響するか、を一歩踏み込んでいく。
ドリッパーにより、珈琲の湯での抽出には、コーヒー豆と湯の接触時間(≒ドリーパー内の湯の滞留時間)と仮定し、以下の計測を行う。
計測項目
1. 水100mlの透過時間の計測
2.抽出後の評価(テイスティング) (次回実施予定)
エントリーするドリッパー
●Merita メリタ
1. Merita アロマフィルター
1908年にドイツのメリタ・ベンツ夫人がドレスデンで操業、世界で初めて「ペーパードリップシステム」を考案した会社らしい。
伝統的な形状であり、抽出液の出口は「1穴」で じっくり抽出。
AS:AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)なので軽く使いやすい(どのメーカーもであるが)。
軽い、丈夫、安い。
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●Karita カリタ
1958年東京都日本橋で創業の日本の専業メーカー。
カリタは、ドイツ語の「Kaffee(コーヒー)」と「Flter(フィルター)」の組み合わせた造語らしい。
2. Karita 101-D(カリタ三つ穴ドリッパー)
メリタと見た目(社名も)はそっくりに感じるが、穴が3つのため、性格は大きく相違し、流速は高速。
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3. Karita ウェーブドリッパー 185 S
ウェーブフィルターを使用する、ステンレス製ドリッパー。
ウェーブフィルター(紙)による影響が大きいようだ。
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ウェーブフィルターをみるとプロっぽいなと感じる。
●キーコーヒー KeyCoffee
1920年に横浜市中区福富町でコーヒー商「木村商店」として創立、1928年に 商号を「木村コーヒー店」に、1989年に社名を「キーコーヒー株式会社」と変更。キムラのキが社名の由来のようですね。
4. キーコーヒー クリスタルドリッパー
内側のダイヤ型の凹凸があり、ペーパーフィルターとドリッパーの隙間で抽出した液の流路を確保している。
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●コーノ
1925年河野彬が創業した珈琲サイフオン株式會社。
5. コーノ 名門 4人用 フィルター MD-41
円錐型、1穴で流速高速化
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●HARIO ハリオ
1921年創業、耐熱ガラスメーカー。
社名由来は「玻璃王(はりおう)」、玻璃は古代から珍重された水晶や古代ガラスのこと。
6. HARIO V60透過ドリッパー01クリア
円錐型で1穴、円錐の角度が60度と狭いため、流速の向上を図りつつ、豆との接触時間向上を期待。
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●ケーアイ
平成元年設立の株式会社ケーアイ、岐阜県東濃地域で生産される美濃焼の流れをくむ。
7. ケーアイ ORIGAMI オリガミ ドリッパー
ドリッパーがウェーブとなっている(まさに ニューウェーブだ!)磁器製。
磁器は厚みが薄いく軽い、そして美しい。
ウェーブの効果と磁器による熱容量向上の効果が期待される。
2019年ワールドブリュワーズカップ・ボストン大会の世界チャンピオンも使用していた。
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E-PRANCE 2017年に中国 香港で創業。
8. ●E-PRANCE コーヒードリッパー
ペーパーフィルター不要のステンレス製フィルタ
ペーパーフィルターを使用すると、豆の油分が吸着されるといわれている。
ステンレス製であれば、油分吸着効果はほぼ無いため、(ペーパーフィルター使用時に比し)豆本来の風味を引き出すことが期待される。
網目は詰まりやすいので、掃除に意外と手間がかかる。
ペーパーフィルターを使用することも可能。
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9. ●エアロプレス ゴー(AEROPRESS GO)
1984年創業のエアロビー社(米国カリフォルニア州パロ・アルト)は、スポーツ玩具(フリスビー等)メーカー。創業者アラン・アドラー氏が短時間で抽出することをめざして2005年にエアロプレスを発明。
湯の滞留時間を自在にコントロールできる点は、上記1-8の通常のドリッパーとは大きく異なる。
当初は、豆と湯が混在する状態とし抽出(浸漬法 しんしほう)、これをかき混ぜる、時間を見て手動でプレスし抽出する仕組み。
プレスしないと、そのままたまっている。ギリシャ・コーヒー(≒トルコ・コーヒー)みたいな状態だ。
人間が人手で押す時間を調整するため、抽出時間を大きく調整できるため、水出しも短時間できる。
先行するエアロプレスの携帯版(アウトドアでの使用や、コンパクトな収納 が可能)としての立ち位置のエアロプレスゴー。マグカップが付属。赤いふたと黒いマグカップの中に小物を収納できる。
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オリジナルのペーパーフィルターが、350枚付属する。
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評価項目1
水100mlの透過時間の計測
豆なしで、100mlの水を投入し、排出完了までの時間を計測
結果
1 | ●Meritaアロマフィルター | 77 | 秒 |
2 | ●Karita101-D(カリタ三つ穴ドリッパー) | 16 | 秒 |
3 | ●Karitaウェーブドリッパー 185 S | 27 | 秒 |
4 | ●キーコーヒークリスタルドリッパー | 15 | 秒 |
5 | ●HARIO V60 | 20 | 秒 |
6 | ●コーノ名門 4人用 フィルター MD-41 | 21 | 秒 |
7 | ●ORIGAMI オリガミ ドリッパー | 20 | 秒 |
8 | ●E-PRANCE コーヒードリッパー | 30 | 秒 |
9 | ●エアロプレス ゴー(AEROPRESS GO) | 5-∞ | 秒 |
今回使用したペーパーフィルターは極力同じものを使用し条件の統一を心掛けた
おおむね20秒前後だが、
2.Karita101-D(カリタ三つ穴ドリッパー)
4.キーコーヒークリスタルドリッパー
の2つが かなり早い。国内勢が高速系なのは、軟水の抽出力が高いことに関係するかもしれない。
8.E-PRANCE コーヒードリッパー がかなり遅い。
1.Meritaアロマフィルター が更に遅い。
考察
ドリッパーのとの接触面、角度、穴の位置、穴の大きさ、穴の数量、全体の形状 等が絡み合って
水の通過時間に差が生じているようです。
流速は、抽出の時間 ひいては抽出成分の比率に影響し、コーヒーの味と香りに反映します。
・はやいほど 酸味成分が多く酸っぱめの傾向
・遅いほど、どっしりしたコクのある傾向
・遅すぎると、苦み、えぐみが増える傾向
次回以上 テイスティング でこれを評価して行きます。
今日も、【壱湯入魂(いっとうにゅうこん)】で行きましょう。
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